Office 製品をインターネットにつながずに使いたい
Windows 10で Office 搭載機の購入を検討しています。購入したパソコンでは、インターネットを使わずに Word や Excel だけを使おうと思っています。こんな場合、Office Premium 搭載機と Office 2016を別途購入するのと、どちらがいいのでしょう?
現在、パソコンのプレインストール版の Office としては、Office Premium がついてくるタイプが多いです。そして、パソコンとは別に購入するパッケージ版では、Office 365 Solo と使いたい製品に合わせたエディションの Office 2016があります。
Office Premium や Office 365 Soloには、Wordや Excel といったOffice デスクトップ版アプリケーションの他に、1年間無償で使える Office 365 サービスとして 1TBまで利用できるMicrosoft のオンラインストレージである OneDrive や固定電話および携帯電話に毎月60 分間の無料通話できる Skype の利用権利などがついています。そして、OneDrive や Skypeは、インターネットを利用しないと使えません。
Office Premium 搭載機と Office 2016を別途購入するのと、どちらがいいのか?は、よく考えてからどうぞ。たぶん、「インターネットを使わないのだから」ということで Office 365 サービスのないパッケージ版 Office 2016の購入を検討されるかもしれません。
しかし、問題点は、そこではありません。
Office 2013以降、Office デスクトップ版アプリケーションのインストールに、Office 2010にあったようなインストール用 DVD ディスクはついてきません。Office Premium や Office 365 Solo、そして、パッケージ版の Office 2016でも、Office デスクトップ版アプリケーションをインストールするには、インターネットにつないで Office セットアップページ へアクセスします。Microsoft アカウントやプロダクトキーを入力してから、ダウンロード版でのインストール作業になりました。しかも、インストール中もインターネットに接続したままであることが必要です。
また、Office Premium と Office 365 Soloは、セットアップ完了後も正常にライセンス認証されているかどうか定期的に確認します。これもインターネットを介して確認します。これらの Office 製品をインターネットに接続せずに使っていると、この確認ができません。セットアップ完了後に定期的なライセンス認証ができない製品は、起動すると「サブスクリプションを確認できませんでした」というメッセージが表示されます。
このメッセージをキャンセルすると、機能制限モードになり、ほとんどのボタンと機能が無効になります。そして、タイトルバーには、「ライセンスのない製品」と書いてあり、メッセージバーには、「サブスクリプションを確認できませんでした。Word では、Office 365 サブスクリプションを確認できませんでした。インターネットに接続していることをご確認ください」と表示されます。
これを解除するには、パソコンをインターネットに接続する必要があります。
このように、Office 2010の頃と違い、Office 2013以降は、WordやExcelといった製品をインターネット接続なしに使うことが難しくなりました。
よく「自宅では、インターネット回線がないから」ということで、パソコン購入時に、お店やセットアップ業者に、その時だけインターネット接続をしてもらい、Microsoft アカウントの作成とWindows 10のセットアップ、そして、Office Premium のセットアップをしてもらったという方から、「しばらくしたら、WordやExcelなどが使えなくなってしまった」という質問を受けます。これは、自宅でインターネット回線のないまま、使っているので、定期的なライセンス認証が行えないためです。
また、パソコンの調子が悪くなってリカバリーし、再度、Office Premium を再インストールしようとしたら、初期インストールした際に取得した Microsoft アカウントが1年以上使っていなかったため、無効になって使えなくなっていたということもあります。
自宅では、インターネット回線が使えないけれども、どうしても Office Premium が使いたい場合、セットアップを開始する前に、Microsoft サポート へ電話、もしくは、チャットで連絡します。
その際には、インターネット回線のあるところで、Office Premium のセットアップを開始していないこと、つまり、Office に付属していたプロダクトキーが未使用であることが必要です。そして、「今後もインターネットを接続するつもりはない」、ということをMicrosoft サポートに伝えてみてください。後は、Microsoft サポート からの指示にしたがって、作業してみてください。
なお、既にインターネット回線を使って Office Premium をセットアップしてしまった場合は、もう無理なもようです。通常は、30日間程度確認できないと機能制限モードになります。機能制限モードになってしまったら、パソコンをインターネットにつないで、メッセージに表示されている「再試行」ボタンを押して解除します。
参考:
家庭向け Microsoft Office 製品のラインアップ
Office のライセンスのない製品というエラーとアクティブ化のエラー - Office のサポート
Office 365 アプリケーションを開くとサブスクリプションに関するお知らせが表示される の「サブスクリプションを確認できませんでした」
2018年5月29日 追記:
法人向けOffice 2016 搭載機でインターネットの環境も Microsoft アカウントも必要ないタイプが発売されました。詳細は、Office 2016 をインターネットにつながずに使いたいでどうぞ。
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コメント
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ありがとうございます。とっても丁寧な説明でよくわかりました。
投稿: yoko | 2017年2月 3日 23:51